「プロフェッショナルマネージャー 58四半期連続増益の男」ハロルド・ジェニーンさん著書。
最近、管理職の役職になったことをきっかけに本書を手に取りました。
洋書特有の書き方であり、日本語訳がちょっと難しくて読みにく箇所もありました。
でも、本書の最後に、ユニクロの柳井正さんの解説が載っています。本書は、柳井さんの解説だけであっても価値のある1冊でした。
メモった箇所を引用します。
本書の著者、ハロルドさんの最後の章が特に役に立ちました
事実を正確に認識すること
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ページ297
紙に書かれた事実は、人々から直接に伝えられる事実と同一でないことを明記せよ。
事実そのものと同じぐらい重要なのは、事実を伝える人間の信頼度である。
実は滅多に事実ではないが、人々が考えることは憶測を強く加味した事実であることに留意せよ。
人が言ってることは、正しく事実を述べているか?
その人の憶測や意見が入っていないだろうか?
人が言っていることを真に受ける前に「事実」なのかを冷静に確認した方がよいことを教えてくれました。
仕事の場面でいうと、「お客さんの声」が本当にお客さんからの生の正しい情報なのかを確認する必要がある。社内の人づてに聞いた顧客情報の中には、社内の人間の憶測や楽観的な希望が含まれている可能性があるので注意しないといけない。
長時間夜遅くまで働ける?
299ページ
名声を得られるだけの優れた結果を達成するために、社交生活の大部分を返上して長時間夜遅くまで働くことを厭わないだろうかと。
そして、自分はそれほど熱心にやる気はないし、そんなにあくせく働くつもりはないと思うなら真のマネージャーになることは諦めた方がいい。
なぜなら、そんなことではトップのレースの途中で誰かに追い越されてしまうに決まっているからだ。
ページ300
他のみんながいなくなってしまったその時間こそ、自分自身の仕事、自分自身の思考ができる時間だ。
つまり、マネージャーの仕事、昼間の規定された時間は部下や同僚あるいは社交の時間に取られてしまう。自分の自身の仕事ができるのは定時後ということを心得よ。
プロフェッショナルマネージャーになるなら、プライベートが犠牲になる覚悟で仕事をできるか?
労働時間とか気にしているようでは、よいプロのマネージャーとは言えない。
との教え。
著者のハロルドさんは、自宅への帰宅が夜の11時半12時が帰りになるも当然とも言っています。
ライフワークバランスという言葉が当たり前のように言われている今の日本の働き方に逆行しているように聞こえます。
が、現実はライフワークバランスを取ったら、ほどほどのビジネスマンになるのは当然。上位に立ちたいなら、長時間労働をして、ある程度プライベートを犠牲にすることも覚悟しないといけない。
当たり前の事実をぴしゃりと言ってくれています。
仕事であっても最後は人として信頼されることが最も重要
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最後の引用はユニクロの柳井さんの解説。
ページ325
ただ一つ言っておきたいことは、ロジカルシンキングだけでは人間が見えてこないということだ。同じ表現を使っても人によって全く異なる意味に受け取ることもある。
同僚や上司、部下、取引先と顔を突き合わせ人柄や考え方をつかむ努力をせずに、俺の指示は的確だから言えば聞くだろうと考えることは勝手な思い込みだ。
「あの人が言ってるんだから自分も協力しよう」という人間が会社の内外にいないと事業や商売はできない
やっぱり最後は人なんですよね。
いくら頭が良くても、いくら仕事の知識があっても、能力があっても、最後は
「この人について行こう。この人に協力しよう」
という気持ちにならないと、誰も協力してくれないもの。
私も20年間仕事してきて、なんとなく言ってることが分かります。
上司の中には、正論を振りかざして理想的には正しいことを言っているんだけど、どうしてもその人の言うことを受け入れて、素直について行こうとは思えない人がいます。
仕事であっても、最後は人間関係。人として信頼をしてもらない限り、長期的にお金を稼くことは不可能であることを本書から学びました↓