2021年2月に出版された木村盛世さんが書いた本
「COVID-19 新型コロナ、本当のところどれだけ問題なのか」
この本を読んだら、無性に腹が立ってきました。
何に腹が立ってきたかって?
新型コロナウイルスに伴う医療崩壊、医療機関の患者受入れの逼迫の状況って、
実は、厚生労働省と日本医師会の怠慢のせいだって指摘されていた点です。
どんなことかというと、引用しておきます
102ページです
緊急事態宣言や国民への自粛要請は医療崩壊を避けるためのものであることを厚労省も日本医師会も再認識する必要があります。
新型コロナウイルス感染者や死亡者が抑えられたのは一部医療機関の努力と国民の努力の賜物です。
ところが厚労省と日本医師会はあたかも日本国民の努力が足りないかのようにもっと頑張るようしています。
断言します。
現在の医療の逼迫は、実際には新型コロナウイルス登場から1年以上が経ったにも関わらず重症化対応に関して何の努力もしなかった厚労省と日本医師会の責任です。
テレビや新聞の報道からは見えない、
コロナ患者への対応について、今の日本の問題を教えてくれた良書でした。
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新型コロナウイルスによる医療崩壊の実体
私がこの本読んだ2021年9月現在は、本書が書かれた時期より改善されているのか、
私は専門家ではないし、医療従事者でもないのでよく分かりません。
著者の木村さんが言うには、
新型コロナウイルスの感染者を受け入れしている医療機関というのはほんの一部に限られている。
一部の医療機関に患者が集中しているため、患者の受け入れできていない状況。
ベッドの数も足りていない。
と。
厚労省や日本医師会が、日本国内トータルで患者受け入れ体制をちゃんと整備すればなんら問題なく、医療崩壊が起きなかったはずだと指摘しています。
具体的には、
日本の医療機関の約8割が民間の病院。残りの2割が公的な病院。
コロナ患者の受け入れが出来ているのは公的な病院の方が多いのが現状。
民間医療機関は、新型コロナウイルスを受け入れると経営が圧迫するから、受け入れが出来ない。
例えば、1人の新型コロナウイルス感染者を対応するのに約15分間の準備が必要。感染を防ぐ防護服みたいなものを着る時間が必要。
あと、コロナウイルス感染者を受け入れるということは、それ以外の患者さんの受け入れを休止しないといけない。
コロナ感染者を受け入れるということは、
患者1人当たりを対応するのに多くの時間が掛かるし、病院として対応する患者さんの数が極端に減る。
そのため、病院の収入が大きく減る。
公的な病院であれば、公的資金(税金投入)の仕組みがあるので何とか運営は出来る。
一方、民間の病院には、コロナ患者を受け入れに伴う補助金支給の体制がしっかりできてない。
そりゃ、コロナ患者受け入れを進んで行おうとする民間の病院が増えるはずがない。
これが、今の医療体制ひっ迫の実情のようです。
尾身会長の病院はコロナ患者受け入れが少ないと書いてあった
よくテレビに出てくる尾身会長。実は尾身会長が管轄する病院では、新型コロナウイルス患者の受け入れ数が少ない。と本書では指摘しています。
2021年9月現在、どうなのか私は分かりません。
でも少なくとも言えるのは、厚労省や日本医師会が、新型コロナウイルスの患者受け入れ体制を日本の医療機関全体をしっかりと統括できてないのは事実でしょう。
最近のネットの記事にも同じようなことが書いてありますね。
尾身氏が理事長務める独立法人傘下の病院 コロナ患者受入数公表しない理由
尾身会長の病院は3割空床
尾身氏が理事長を務める「地域医療機能推進機構」(JCHO)が都内で運営する5病院のコロナ病床使用率が記載されている(8月10日時点)。 それによれば、確保病床数158床に対し、受け入れ患者は111人。
病床使用率は70%で、3割が空いていることになる。
引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/35ef1d56e97
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やっぱり、本書「COVID-19 新型コロナ、本当のところどれだけ問題なのか」
に書いていることは事実なのでしょう。
テレビでよく報道されている医療崩壊。
医療関係の事情に詳しくない私のような人がその報道を見たら、
「すべての医療機関で、医療崩壊が起きている」
と思ってしまいます。
でも実は、新型コロナウイルス感染者を受け入れてない病院はまだまだたくさんあり、
厚労省や日本医師会が上手く対応さえすれば、一部の医療機関に偏っている負担を分散できる余地があることを知りました。
ヨーロッパでは、国をまたいで患者を搬送し、医療崩壊を起こさない努力をしているのに対し、
日本では日本国内だけの中でも、医療崩壊への対処ができていないとのこと。
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まとめ
木村盛世さんの著書「COVID-19 新型コロナ、本当のところどれだけ問題なのか」
を読んで知った一番の衝撃は、
医療崩壊の実体は、一部の医療機関にだけ負担が強いられているのが原因という点。
少なくとも、私を含めた自分の家族は極力、新型コロナウイルスに感染しないように
医療従事者の方の負担を増やさないように努めること。
そういう思いを強くした一冊でした。
テレビや新聞の報道からは見えない、
コロナ患者への対応について、今の日本の問題を教えてくれた良書でした。
P.S
本書は感染予防についても言及されています。これについては、テレビで報道されている内容と基本的には同じです。
- マスクの効果は過信してはいけないが、マスクはした方がよい
- 外食をする代わりに、飲食は持ち帰り、宅配を利用すること
- 飲み会をするならオンラインで
- 待てる買い物は通販を利用する
- 外出は空いた公園を選ぶ
- 診療は遠隔診療を利用
とか、どこかで一度は聞いたことがある内容。
だんだんと国民の危機感がなくなり、普通に人込みへ出かけていったりする人が増えてきたことも木村さんは危惧されています。
特に65歳以上の高齢者は重症化するリスクが高いため、極力、人と接触するのは我慢した方がいいと言っています。これはテレビ報道でよく言われている内容と同じでした。